10年前20年前の感覚で基幹系システムを定義していないか
あなたの会社でも、次の基幹系システムをどうするか話があがっていると思います。
その際に、既存の基幹系システムだけ対象にしていませんでしょうか?
はっきり言いますとその考え方は古いです。20年前の思考です。ERPの歴史を紐解くと、なぜ古い考えなのか分かります。
歴史について詳しく書いてあるサイトがあるので割愛します。要点だけいいますと、ERPはBPRの延長にあるものです。BPRとはビジネス・プロセス・リエンジニアリング(Business Process Re-engineering)の略語である。日本語に訳するなら業務改革である。

つまり、10年前20年前のERP導入は業務改革(BPR)を進めるため意味合いが強かったのです。
しかし、今のERP導入は異なります。業務改革や業務改善は、当たり前のように通常業務に組み込まれ、常にムダを排除するようになってきています。業務改革のためのERP導入は古いのです。
では、何のための基幹系システムなのか?
今は、ビジネスサイクルのスピードが早いです。迅速な意思決定が必要な時代なのです。
そのため、基幹系システムは企業経営のため存在するシステムを指すのです。
CRMやBIも基幹系システムに含まれる。グループウェアは?
企業経営に関するシステムは基幹系システムであると定義しました。
つまり、これまで情報系システムとして分類されていたCRMやBI、BAも基幹系システムに該当するのです。
グループウェアも経営に関わるようなことをやっていれば、基幹系システムと位置付けたほうよいでしょう。
基幹系システムを英語に訳するとミッションクリティカルシステム(mission critical system)やコアシステム(core system)と訳されます。
つまり、海外では、企業の存続に関わるシステムは基幹系システムなのです。
システムが止まってもどうにかなるかならないで、基幹系システムの切り分けは止めたほうがよいです。
10年後を見据えて、基幹系システムの範囲を再定義すべき
これはできるならという話なのです。もし可能なら10年後を見据えて、基幹系システムの定義をしてみてください。これからも自社のシステムは増えていきます。どんなシステムが増えるか検討もつかないと思います。しかし、考えてみれば新しい視点が生まれるはずです。

社内SEから「基幹系システムは経営のためのシステム」と言っても社内に浸透しづらい。経営層と協力しながら広めよう