プロジェクトはQCD、基幹系システム導入は?
プロジェクトの成功失敗は、QCDで判断が可能です。
とくにコストと納期は判断が明確な数字と期日があるので、分かりやすいです。品質はアンケートなどで、ある程度、定量化することをできるでしょう。
次期基幹系システム再構築は、企業の存続すら影響する一大プロジェクトです。失敗した場合は、株価への影響も考えられます。
評価方法はROIは使えるのか?
経営からみた場合、次期基幹系システムにどれくらいのコスト(投資)が必要で、それによってどれくらいの利益が得られるかどうかです。
それを算出するのが、ROIです。Return On Investmentの頭文字をとったもので「利益÷投資コスト×100」で算出します。
ここで問題があります。基幹系システムは、売上があがるシステムではないです。なので利益もでません。
もちろん、導入前後、利益を算出すれば、それなりのROIを算出することはできるでしょう。果たして、それが正しいのでしょうか?
このように利益を産み出さないシステムのIT投資は算出が難しいです。これについて、引き続き、なにがよいか調べていこうとおもってます。
ちなみに、ガードナーさんが、IT投資についてまとめたレポートがあるので、オススメです。
誰だって責任は取りたくない、という事実
そもそも、導入後のシステム評価、投資対効果は、あまりされません。ここには、理由があります。
誰も責任を取りたくないからです。
仮に基幹系システム再構築をした後の話をしましょう。経営層から情報システム部にROIを算出して報告しろ、と指示がでます。
100%を越えてれば、そののまま報告すればよいでしょう。
しかし、仮に100%を下回っていた場合、そのまま報告するでしょうか?
そのまま報告しないのです。
報告すれば、失敗とみなされ、責任を取らされます。残念ながら、今の日本は企業はそのような文化のところが多いようです。
報告しないという選択はないので、いろいろな手段を使って、ROIを100%越えるように調整して、報告することでしょう。嘘の報告では?と思う方もいるかもしれませんが、数字は嘘はつきません。算出期間や算出方法を替えれば数字は簡単に変わるのです。
次期基幹系システム再構築を無事に終えたのに、失敗の烙印までおされてはシンプルに面白くないです。
つまり、情報システム部としては、ROI算出をしないのは、至極当然なのです。
経営層は、これを回避するには、評価制度を変更するか、ROI算出を第3者にお願いしましょう。もしくは、導入検討段階で、ROIやKPIの算出方法を明確にしておき、導入中の時期も定期的算出するのがよいです。

常日頃、ROIやKPIを意識していれば、こんな問題は発生しない!