【前編】JTBの事例から、基幹システム構築に関して、学ぶべき2つの事

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JTBが基幹システムの開発中止を発表

2019年5月24日に、JTBさんが2018年度の連結決算を発表しました。

2018年度 連結決算概要|ニュースルーム|JTBグループサイト
2018年度 連結決算概要

この事例を元に、前編と後編で2つの学ぶべき点をお伝えします。

JTBさんの連結決算発表により、ニュースでは過去最大の赤字に焦点を当てていました。しかし、当ブログでは基幹システムの開発中止による特別損失焦点を当てていきます。

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経営層が基幹システムの重要性を理解している

1つ目の学ぶべき点は、経営層が基幹システムの役割と重要性を理解している点です。

基幹システムの開発中止による特別損失は約46億でした。

どれくらいの年月を基幹システム開発にかけたのかは不明ですが、単年度の利益を食い潰してしまうほどの金額です。

それでも、経営層が開発中止を決定した事は英断だと思います。

蜜蜂ハチ
蜜蜂ハチ

このタイミングでよく決断したと思う、すごい

システム開発中止の理由は、ダイナミックプライシングに応えられるシステムにするため。つまり、市場環境の変化に対応できるシステムに構築するためなのである。

市場の変化に対応できない基幹システムを構築してしまうことが、長期的視点で競争力の低下をまねくと判断したのでしょう。

つまり、市場の変化に対応できる基幹システムでなければ今後のビジネスが成り立たないと経営層が理解しているのです。ここが学ぶべき点です。

実はJTBさんが基幹システムで苦労したのは今回がはじめてではない2001年に訴訟まで行ったら事案があります。

要件固めに失敗した責任はベンダーかユーザーか、JTBとビーコンITのシステム裁判
 業務や機能の要件が固まらず不調に陥り、システム再構築プロジェクトを2001年1月に中止。失敗の責任を巡って、互いに訴え合ったのがジェイティービー(JTB)とビーコン インフォメーション テクノロジー(ビーコンIT、現ユニリタ)の事案である。2004年10月、互いに求めていた賠償請求を放棄せよ、という「ゼロ和解」で決着...

このような経験もあったため、経営層は基幹システムの役割と重要性を理解していたでしょう。失敗を次に活かしてることが読み取れます。

また、JTBさんは「第3の創業」として、「ソリューションモデル」のビジネスに舵を切ることを謳っています。経営戦略に基づいての基幹システム開発中止なのかもしれません。

一般的な企業で、IT部門や社外SEがどのように経営層に基幹システムの重要性を理解してもらうか2つの方法があります。

1つは、ひたすら重要性を説くこと。直接、経営層に伝えられない場合は、事業部門に重要性を説くのもよいです。事業部門には基幹システムのベテランが必ずいます。その人を味方につけましょう。

2つ目は、訴訟の事例を経営層に見せましょう。経営層は損することを嫌がるので効果的です。あまりやりたくない方法ですけどね。ただ持続性はないでご注意を。

蜜蜂ハチ
蜜蜂ハチ

どちらにせよ、基幹システムで苦労してると企業を知るとなぜか応援したくなりますね。

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社内SEと次期基幹系システム
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