プロジェクト成功のカギは強固かつ柔軟なガバナンス
ERPパッケージ導入プロジェクトにおける成功のため5つの条件のうち2つ目は強固かつ柔軟なガバナンスです。
1つ目はこちらの記事です。
ガバナンスそのものについては後述します。
強力なガバナンスとは、統制の重要性が理解され、統制が末端まで効いている状態を意味します。
柔軟なガバナンスとは、スピーディーかつ臨機応変に統制の力加減を変更できる状態を意味します。
具体的にいいますと、ガバナンスが効いている状態はあるべき姿です。なので問題ないです。ですが、ガバナンスが効きすぎる場合が問題です。
新規ビジネス立ち上げの際には、既存のガバナンスルールに従うと、守りのガバナンスが足枷になる可能性があります。
反対に既存ビジネスの方針変更を行う際には、既存ルールに縛られて変更できないケースも想定できます。
このようにガバナンスは効きすてもダメ、ゆるすぎてもダメ。かつ、効くべきところで効く。というものです。これがあるべき姿と考えてます。
必要なのは意思決定
では、どのようにして、あるべき状態を維持するかというと、意思決定機関の存在です。
統制する側(管理側)は常により強い統制を効かせようとしています。統制される側(事業側)はその統制から逃れようとします。その調整を図る意思決定が必要なのです。
両者の意見を聞き、ジャストなガバナンスを効かせることが大事です。
そもそもガバナンスとは
ガバナンスについて、説明します。ガバナンスの説明をする終わらないのでERPパッケージに関連しそうなところだけ説明します。
知っておいてほしいことは2点あります。
- コーポレートガバナンス
- 欧米と日本の違い
1点目 コーポレートガバナンスについて
平成26年6月24日に日本再興戦略が発表されました。毎年発表されてます。
この中で、コーポレートガバナンスについて明記されています。簡単に言うと、企業の価値を上げるためコーポレートガバナンスを作ろう。というもとです。ここでいう企業の価値は、株価をさしてます。なので、対象は上場企業なのです。
2点目 米国と日本では、コーポレートガバナンスの目的が異なります。
米国ではリスクを減らすために、ガバナンスを目的としてます。
米国のコーポレートガバナンス改革が経営者の暴走の抑制が大きなテーマ
https://school.nikkei.co.jp/news/article.aspx?aid=MMSCe6000008042016&page=3
ERP導入の際に気をつける点
ERPパッケージを導入する際に、気をつける点は1つです。
ベンダーが「ガバナンス」というワードを使用した時に、どういった意味では使用しているのが確認することです。
極端な言い方をすれば、日本的コーポレートガバナンスは中小企業においては不要です。(*ゆくゆくは上場予定している会社は別ですよ。好き勝手やっていいという意味でもないです。)
それにも関わらず、ベンダーが「ガバナンスが大事です!」と言ってきた場合は、米国的コーポレートガバナンスで言ってる可能性があります。
ガバナンスとは企業によって違うものなので、ベンダーが一辺倒に「ガバナンス!ガバナンス!」と言ってる場合、しっかりと確認しましょう。

ガバナンスって分かってそうで分からないですよね。